別に僕は何でもな医師。

中堅内科医の独り言

ダイエットの敵

新年になり気持ち新たにダイエットに取り組む方も多いだろう。

 

 

さぁそんな中でダイエットの王道といえば食事と運動と考える方も多いと思う。

 

しかしダイエットを継続する上でそれ以上に大切なものがある。

 

それは『睡眠』である。

 

睡眠が大切なのは認知機能や精神面などで言うまでもないが、ダイエットにおいても睡眠は非常に重要である。

 

睡眠不足は食欲のコントロール低下につながることが知られており、睡眠不足の人ほど肥満度が高くなる傾向がみられる。

 

睡眠不足がレプチンやグレリンなどのホルモンバランスを崩してしまうことが原因と考えられている。

 

私も実体験から、睡眠不足の日は自分に甘くなる傾向がある。

特に当直のさなか、当直明けにそれは顕著に感じる。

 

「頑張ったからいっか」という気持ちがふつふつと湧いてきて、いつの間にかコンビニに足を運んでしまう。

 

食事、運動を改善する前に、そのベースになる睡眠を改善しましょう。

 

とはいっても、私も睡眠環境の改善余地はたくさんあり...

 

その最たるものとしては『寝る前のスマホ』であろう。

Youtubeを筆頭にうまくその策略に乗っかってしまっていると思いつつもやめられない。

 

これも習慣化の問題なのだろう。

 

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気持ち新たに頑張ろう!という人は多いと思うが、なかなかうまくいかないのがホメオスタシス

体と心にバレないようにゆっくりと習慣を変化させよう。

ALS

ALS患者の嘱託殺人において被告が無罪を主張

「願いかなえるためだ」ALS患者嘱託殺人初公判 医師は無罪主張 | NHK | 事件

 

私は安楽死尊厳死という考えに否定的ではないが、その判断は厳正に行う必要がある。

患者自身の意思が優先されるべきだという気持ちはあるが、残された家族の思いも大切だと思う。

もちろん家族の「絶対生きて欲しい!」という気持ちを押し付けることはあってはならないが、家族と意見の交換もせず、いきなり現れた医者に大事な子どもの命を奪われたとなると納得はいかないだろう。

 

ALSのみならず、今後慢性疾患が増えていくにつれてこの手の話題も増えてくるだろう。福生病院での透析中止事件も記憶に新しい。

先日このブログでも書いた(人はどのように死を迎えるのか。 - 別に僕は何でもな医師。 (hatenadiary.jp))が、慢性心不全、慢性腎不全患者が爆発的に増えている昨今、点滴による強心薬や透析のサポートなしには生きていけないとなった場合に、どのように治療をやめていくか。

 

安楽死尊厳死とまではいかないが、治療強化で起きうる弊害もあるため、現場ではある程度の上限を設け、自然な形で看取るということは多々経験する。

昇圧剤・強心薬はこれ以上増やさない、透析についても血圧が保てる範囲で行う、呼吸器の設定もこれ以上は上げない、など。

 

その際に家族とトラブルになるケースは私は経験したことはないが、それは医療者と家族と患者間で十分に話し合いがなされた上での結果だからであろう。

一人だけで生きていくことが困難であるように、「死」に対しても一人で向き合うものではない。

医師は患者の気持ちを叶えるためだというが、今回の事件は家族の気持ちが置き去りにされてしまっている。

家族の思いはどうなのか、最期を迎えるとしても家族や友人との時間は不要なのか、現在の精神状態が一時的に不安定なだけではないか、普通は当たり前にこういった思いが出てくるはずだと思うが、患者が死にたいといっているから死なせてあげた、というのはあまりにも安直である。

ニュース上でしか見ていないので事件の全貌をわからない私がいうことではないかもしれないが、医師の前に人として何か欠落しているように感じてしまう。

 

備えあれば憂いなし

帰省でのんびり、も束の間、本日から出勤でございます。

 

子どもからもらった風邪が一旦良くなって、再び悪化。別の感染症だろうか。

もともと副鼻腔炎疑いもあり、そちらもあわせて悪化していて寝苦しいことこの上ない。

さらには上の子の感冒後咳嗽と下の子の夜泣きも合わさってお父さんは寝不足で初出勤となりました...

 

 

昨夕飛行機から降りたところで能登半島地震を知った。

私たちも引っ越しの際にハザードマップを見たり、防災リュックを購入したりしているが...それ以上にリアルに考えることができていない。

なかなか自分事にできないのでどこか対岸の火事感が抜けていない。

 

いざ、地震津波がきたときに備えられるように少しでも自分事として考える。

色々調べてみると各自治体がいろいろな方法で防災関連の情報を提供してくれている。

 

ハザードマップと照らし合わせてgoogle mapを見ながら逃げ道を考えてみると恐怖を感じる。

 

備えあれば憂いなし!

マイホームか賃貸か論争

答えはないがずっと言われているこの論争。
私はまだ賃貸マンションであるが、将来的には一軒家を考えている。
資産形成をする上で否定的な意見を持つ人が多いが…
彼らの意見としては、
・資産とするにはリスクが大きい。人口減少が進み価値は目減りしていく可能性が高い。
生活スタイルの変化や家族構成の変化が起こると自由が効かなくなる。
・不動産会社に手数料をとられ割高なことが多い。

などなど。
確かにその意見ももっともだ。

私自身は大学に入るまでは一軒家に住んでいたので、実家=一軒家、というイメージがある。

自分の子ども達が巣立った後、帰ってくる場所が固定されているほうが何となく落ち着くような気もする。もちろんこれも実家の固定観念が染み込んでいるからだろうけど。

正解はないと思うけど、やっぱり"実家感"って大事じゃない?笑
 

糖尿病の見落とし

糖尿病見落とし 治療されず死亡か - Yahoo!ニュース

 

コロナ感染で大学病院で治療された後、軽快したので神戸徳洲会病院に転院となった方がお亡くなりになったようだ。

糖尿病でお亡くなりになる方は糖尿病そのもの、というよりは合併症でお亡くなりになることがほとんどだ。例えば感染症

 

糖尿病を放置して亡くなったというと疑問であるが、例えば1型糖尿病のようなインスリン依存の方であったのだろうか。2型糖尿病でもインスリンが必須になる方はいる。

 

入院に伴い廃用が進んで経口摂取があまりできない患者さんだとして、ブドウ糖の多い点滴を行われていたとすると、糖尿病性ケトアシドーシス高血糖高浸透圧症候群をきたして重篤化した場合には亡くなる可能性は否定できない。

 

また、廃用から疎通も困難であり、患者自身がインスリン使用を訴えることができないぐらいの状況だったのだろうか。

 

 

加藤茶さんが腎不全...

加藤茶 「腎臓が悪かった」医師から人工透析勧められるも妻・綾菜のアイデア減塩料理で「大分良くなった」― スポニチ Sponichi Annex 芸能

 

かなり痩せが進んだように見えてちょっと心配だが、減塩を徹底することで浮腫(むくみ)がとれてきた要素もあるのだろう。

透析導入期に減塩や利尿薬などの管理を行うことで腎うっ血が解消され導入を伸ばせることはありえる。(腎不全が治った訳ではない)

 

おそらく80歳にもなると何らかの心疾患を抱えていてもおかしくはないし、心不全により腎不全が悪くなることもよく経験する。なので心不全の管理により腎不全が軽快することもある。

 

 

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お亡くなりになられた渡辺徹さんも腎不全で血液透析をしていた。

若くして糖尿病に罹患し、おそらく職業柄もあり不摂生が続いていたのだろう...

 

そういえば少し前のテレビでも安田大サーカスのクロちゃんがHbA1cの著明な高値、Cr軽度上昇を指摘されていた。ググってみると内服、食事のコンプライアンスも非常に悪いようだ。(2023年時点でどうなのかは不明だが)

彼はこのままだとおそらく糖尿病、高血圧により腎不全進行から血液透析になるであろう。網膜症により視力低下が進行し、最悪失明しているかもしれない。

 

どこまでがテレビ用のキャラクターなのかは不明だが、こういった患者さんは現実世界にも大勢いる。

言い方は悪いがそういった方の中にはいわゆる「境界知能」に属するような方もいるだろう。テレビ上、クロちゃんのキャラクター的に面白おかしくクズ人間として映されているが。

何度も指導し、その場では良い返事をしてくれるが、3日後にはダメな状態に舞い戻る。

透析患者さんの中にもいるが、宅配食、訪問栄養指導、薬剤指導を重ねてもうまくいかないケースでは生命保護の観点から施設入所を余儀なくされることもある。

 

腎不全の進行を遅らせる新しい薬がどんどん登場しているが、内服含めた自己管理が難しい人たちがいる限りは血液透析はなくならないのだろう。

 

脳梗塞

なすなかにし那須 脳梗塞で手術 - Yahoo!ニュース

 

なすなかにし那須さんが脳梗塞カテーテル手術を受けたそうだ。

幸い後遺症もなくリハビリ中であるとのこと。

お二人の軽快な掛け合いは心地よく、幅広い世代に受け入れられ人気があるのもうなづける。従兄弟の関係にあることは今回のニュースで初めて知った。

早期の復帰を祈るばかりだ。

 

脳梗塞のリスクとしては喫煙、飲酒に加えて、高血圧、糖尿病、脂質異常症など主に生活習慣病が挙げられる。

 

発症早期であればrtPAと呼ばれる血栓溶解療法やカテーテルでの治療が適応になるが、運悪く夜間に発症してしまい、MRIでも時間がある程度経過している場合には治療適応外になることもある。

那須さんの場合は早期に異常に気が付けたことが今回のカテーテル治療に繋がったのだろう。

 

喫煙が百害あって一利なし、というのはよくよく知られているが、飲酒もいろんな疾患のリスクになる。

ちょっと昔は少しの飲酒は体にいい、と言われ「酒は百薬の長」という言葉もある。

 

近年、飲酒により認知症や心房細動(これも心原性脳梗塞の原因となる)を発症しやすくなることもわかってきた。

 

やはり禁煙、減塩、適度な運動習慣。血管は知らず知らずに傷ついていきます。