別に僕は何でもな医師。

中堅内科医の独り言

健康に配慮した飲酒に関するガイドライン

健康に配慮した飲酒に関するガイドライン厚生労働省から発表された。

 

001211974.pdf (mhlw.go.jp)

【ガイドライン公表】アルコール1日に男性40g・女性11g以上で脳梗塞発症リスク 大腸がんは男女とも1日に20g以上 厚生労働省 (msn.com)

 

ガイドライン策定の背景には、近年のいわゆるストロング系といわれるチューハイの浸透もあるのだろうか。

安価であることから手にしやすく、人工甘味料による甘さがアルコール度数の体感を薄め、飲酒量も増え、飲むスピードも速くなる。

若者のアルコール離れ、といわれつつも、慢性的に飲酒をしている人たちはこういったストロング系の登場により依存に陥る人も少なくないかもしれない。

 

飲酒は心房細動といわれる不整脈の発症リスクとなる。

心房細動は決して珍しい不整脈ではない。DJ KooさんのCMもちょこちょこ見かけるようになった。

心房細動があることで脳梗塞発症リスクに応じて、抗凝固薬の適応を考える。

アブレーションといわれる心房細動を止める治療を行う人もいる。

 

もちろんお酒の耐性は人それぞれであり、ガイドラインを全員に一律に適応すべきというものではないのだが、「飲まないに越したことがない」といったところだろう。

 

私も酒は嗜むが、週末の1-2日だけにしている。

もっと若いころには毎日のように飲んでいる時期もあった。

 

上にあるような疾患発症を懸念して控えているというよりは、いつの間にか飲酒量が減っていた。時々しか飲まないとお酒の耐性も下がり、昔ほどは飲めなくなったという実感もある。

 

ただ、一切飲むな、と言われると...それは正直厳しい笑

飲酒習慣のある人における、禁酒のストレスによる各疾患の発症リスクはどうだろう?

そんな研究はなく、結局は何事も適量にしましょう、といったところか。