別に僕は何でもな医師。

中堅内科医の独り言

透析専門医試験

透析専門医の合格通知が届いた。

これで腎臓専門医+透析専門医をようやく取得。

専門医って実際何のためにあるのか?

自分としては何となく箔が付いた感じはして嬉しい。

病院としては専門医がいることで集患につなげられる。患者さんは専門医があると安心...

専門医の維持はお金も労力もかかるし面倒ではある。

専門医を更新するためにセルフトレーニング問題なるものを解く必要があるが、専門医でも知識がアップデートされずに形骸化している医者なんてごまんといる。

開業医はむしろそのほうが多いんじゃないか?

 

とまぁ愚痴はそこそこに、試験の内容と私の取り組んだ勉強についてお伝えする。

 

 

7月頃からトレーニング問題集1周目に取り掛かり始める。

片手間にのんびりやっていたので1か月ぐらいかけてしまったかも。

9月頭からそろそろ真剣にしないとまずいなと思い始め、2周目に取り掛かる。

2周目については日本透析医学会ホームページにある「専門研修指導マニュアル」を参照しつつ、パソコンのAnkiアプリに出そうだなと思った内容をどんどん打ち込んでいった。

このマニュアルはかなり出来がいいが、ホームページで見つけにくい笑

下手すると気づかなかった受験生もいるんじゃないか?

会員専用ページから会員ログインフォームに移動し、下のほうに専門研修指導マニュアルがある。

Ankiに入れた問題を通勤途中に繰り返し解いた。ラスト2週間は帰宅後に1時間ほど勉強していたが、もちろん全くできないような日もあった。

口頭試問対策は一切せずに臨んだ。

 

専門医試験 2023/10/15(日) 都市センターホテルで行われた。

午前中は筆記試験、午後は口頭試問。

 

問題数は100問あり、手ごたえとして確実に正解しているなという問題をざっと数えたところ6-7割程度。結果としては79点で平均より若干高かった。

内容としては、事前に配布されていたトレーニング問題集から全く同じ問題が数問、ちょっと内容を変えた問題が2-3割ぐらい、その他は新しい問題といった印象。

 

・ソアサム症候群の写真が載っていて、適切でない治療はどれか選択する問題。(トレーニング問題集と全く同じ設問だったかな)

 

・透析患者において抗不整脈薬で調整不要なものはどれか?

→アミオダロンとかジソピラミドなどが設問に並んでいる。

 

・透析患者における麻酔薬について調整不要のものはどれか?みたいな問題。

プロポフォールとかが並んでいる。

 

・透析液の排液温度、pH(これもトレーニング問題集と同じだった)

 

・個室透析が必要なのはどれ?

HBVとかが並んでいる。

 

・災害時の対応について

→患者さんをどうするか、キャスターのこと

 

・疫学についても数問出てました。

 

あと印象的だったのは、HIF-PH(ロキサデュスタット)による甲状腺機能低下症が出題されておりました。新薬については来年の試験も抑えておいたほうがよさそうです。

 

かなりあいまいですが、X (twitter)にはもっと詳細にたくさん問題を再現している方がいますので、そちらから情報収集してみてください。

 

午前に筆記試験を終え、終わった直後の安堵感とあの問題ミスったかも!という不安感でよくわからない心持ち。受験生に知り合いがいなかったので一人で近くのカフェに向かった。

私の順番は比較的遅めであったので、口頭試問まで2時間半ぐらいあった。

面接対策にはそんなに力が入らず、あの問題の答えあってるかな?といろいろ気になって調べていた。面接対策として症例要約から出されるという噂を聞いたので、症例要約をざっと見返しつつ、聞かれそうなことはネットで調べたりマニュアル読んだりしみたが、あんまり頭には入らず。結局「もういっか!大丈夫っしょ!」という楽観的になり、そのまま口頭試問へ。

 

口頭試問については、内科と外科の先生なのか二名の試験官がいて、2対1で向き合って質問される感じ。10分弱ぐらいだった気がする。

内容としてはごくごく基本的な内容であった。

・シャントの手術は誰が行っているのか、エコーのフォローはどうしているか。

・Pが高い患者に対してどのように指導しているか。

・低心機能の患者さんにおけるアクセスはどのように選択しているか。

 

自施設で行っていることに加えて基本的な知識しか問われなかった。2か月前なのであまり思い出せなくて申し訳ない。

結果としては「減点なし」とのことであったので、減点方式なのだろう。加点されている人もいるのかもしれないけど。

 

以上が私の透析専門医試験の合格体験記です。

ご参考になれば幸いです。