別に僕は何でもな医師。

中堅内科医の独り言

医者の進路と将来性

医者の進路について考えると、

・大学病院で臨床やりつつ研究や論文にいそしむ

・市中病院で臨床やりつつ、たまに研究や論文に参加

・開業

フリーランス、バイトしまくる

・美容系に転身

・医者以外の道で起業

 

市中病院でも研究、論文をバリバリやってる強者もいるが、私は完全弱者の部類。

私は大学病院を経て現在の市中病院にいるが、場所に関係なく優秀な人間はいる。

 

米国医師国家試験に合格しているものもいれば、若くして論文を何本か書いているものもいる。自分も医者の端くれとして彼らに憧れるが、やはり「積んでいるエンジンが違う」と感じることも多々ある。

森岡毅さんの著作を読んだときにも痛感したが、結局人には向き不向きがある。

これが真理なんだろうなぁと思う一方で、優秀といわれる医師に属したいという欲を捨てきれないのが悲しい。

 

言い訳になるかもしれないが、そういったプライドだけで勤務医をしているわけではない、と思っている。

ある程度の規模の病院でなければ経験できない疾患も多い。検査もすぐに出すことができて即日結果がわかることも多いし、治療にすぐに取り掛かれる。

クリニックであれば難しい疾患や緊急性があればすぐに大病院へ送ることになり、その後の顛末を知るのはだいぶ先になるか、あるいはわからないままであろう。

 

自分の推論が正しいかどうかの答え合わせができる、治療効果が目に見てわかる、こういった点は医者のやりがいだろう。知的好奇心を満たしてくれる。

 

収入の面で考えると開業医や美容系のほうが数倍は上であるが、全例成功するとは限らないし、経営の面でも尽力しなければならない。

どちらが楽に安定して稼げるか、と言われれば勤務医かなと思う。もちろん経営のことも上層部から言われるが、基本的には臨床に集中できる。経営が破綻したとしても医師免許があれば今の日本で数年はくいっぱぐれることはないだろう。

 

私ぐらいの医者として中堅どころになってくると開業するものも増えてくる。

友人の噂も耳にする。開業してウン千万稼いでる、と聞くとそりゃあ羨ましくもなる。

 

AI全盛期に突入しつつある現代において、今の若者が高齢者になったとき、これまで通りの医療が行われているのだろうか?

おそらく現時点でも、Chat GPTに聞けば、耄碌した開業医よりも、場合によっては大病院の医師よりも、より正確で詳しい返事が聞けるのではないか?

 

医者という職業もどうなるか怪しいもんだが、あと数年は大丈夫だろうとぬるま湯に浸っている。

 

欲望、プライド、やりがい、QOL...いろんなものがごちゃごちゃになり、私はどこに着地するのであろうか...